ウクレレ記法の楽譜は著作権侵害になるのか

ウクレレのコード譜を簡単に表示できるウクレレ記法
自分も音楽を演るので大変素晴らしい機能だと喜んでいるのだけど、非常に悲しいのが著作権の存在だ。このウクレレ記法を使って表現できる音楽の範囲はかなり狭いのではと思ってしまう。

  1. 自作の曲
  2. クラシックなど著作権切れの曲

上記に関してはなんら心配ないけれど、他の曲の場合はかなりきわどい。気軽に「○○の曲を耳コピしたので載せときます」ってことが書けない。
実際のところコード譜著作権の適用範囲なのだろうか。コード進行レベルだとかなり重複する曲が多い。JASRACのホームページにある、ホームページやブログで音楽を使いたいと考えています。何が必要ですか?という質問には

著作権のある音楽著作物(メロディー・歌詞・楽譜等)を利用する場合には著作権者の許諾が必要です。

とあるけれど、コード譜が楽譜に含まれるかはわからない(きっと含まれるのだろうけど)。
また、イントロのコードがカッコ良いとかで部分的に紹介しようとウクレレ記法を使っても、JASRACにある質問、4小節程度の短いフレーズであればJASRACへ手続きをしなくても、雑誌に掲載したり、ビデオに録音できると聞いたのですが?に対しては以下の回答だ。

4小節以内あるいは15秒以内なら、JASRACへの手続きがいらないというのは全くの誤解です。短いフレーズでも、他人の著作物を利用することに変わりはありませんので、雑誌への掲載、ビデオへの録音など利用方法に応じ手続きをしていただく必要があります。

出版やWebで当たり前の「引用」の概念はないらしい。どうもYouTubeの違法コンテンツ(TVの録画など)と同じ臭いを感じる。勝手に複製されたり転載されては本来利益を得るべき人が利益を得られずに、別の人が利益を横取りしてしまうという考え方なのだろう。
確かにそうだと思う。自分の最高傑作の曲を人前で演奏してみたら、勝手に録音されて、その人がCD販売して億万長者になったとか言われたら、かなり腹立たしいだろう。だから著作権で守られていること自体は賛同できることなのだけど、適用するライセンスに関してはもっと柔軟に種類があっても良いのではと思う。曲の複製はダメでも楽譜ならOKとか、曲と楽譜はダメだけど歌詞は自由に転載OKとか。これを曲毎にJASRACに問い合わせるのは現実的ではないので、ある程度のパターンを決めて曲名や作曲者名で検索できるシステムがあれば良いだろう。バンドとかだと、独占的な楽譜出版よりも、様々な所に楽譜が自由に掲載されて話題になった方が、効果的な宣伝となるような気もするし。
音楽業界にもGPLのようなライセンスに対する取り組みが活発にあって欲しいと思う。現状の考え方は少々型はまりで画一的過ぎるように感じるので。

[追記]
はてブのコメントでありがたい情報を頂いた。id:xnissyさん、ありがとうございます。

コード(ギター譜)だけを掲載しても著作権違反にはならない: http://www.geocities.jp/sepu_ani/d-gakufu.htmlhttp://ameblo.jp/dukkiedukkie/entry-10006272915.html、「コード進行は著作物ではない」http://ameblo.jp/chosaku/entry-10006242872.html

ここに記載されたリンク先のJASRACから返事が来たを見てみると

ギター譜のみの場合は、現状では対象とはなりません。

とある。ここで引っ掛けっぽいのが「のみ」という言葉。ギター譜にウクレレは含まれないとか屁理屈が言いたい訳ではなくて、本当にギター譜のみを掲載して意味を成すことがあるのかという点。普通は曲名か作曲者くらいは書くでしょうと。でなければ奇妙なエントリになってしまう。○○のパクリだとか逆に非難されるかも。
この点に追い討ちをかけているように感じてしまうのがもう一つのリンク先のポルノグラフィティ ファンのマナーup!同盟

一般にコードだけを掲載しても、著作権違反にはなりません。コードだけをパッと見ても、楽曲の再構築が出来ないからです。
 しかし、「ポルノさんの○○○の曲のコード」などとして掲載すれば、その曲を知っていると再構築ができます。歌詞と併載することも同義です。
 こうなると著作物となりますので、著作権違反です。

クラシックに比べて現代の楽曲はコード進行のみでの再現性が高い傾向にあるので、曲名を書いた時点でダメということになりそう(ギターの弾き語りとかはコード進行自体がモロだし)。
少し話題は逸れるけれど、仮に許可を全て取得して使用料も支払ったとして、掲載したコード譜に間違いがあっても問題はないのだろうか。楽譜やコード譜をオフィシャルで公開している人は少ないので、間違いの正しようがないように思う。というか、出版社の出す楽譜も間違いだらけだし(特に洋楽とか酷い)。これは考えようによっては著作物の改変?いや、同一性保持権に対する違反かな。でも、最近はアーティスト自身が楽譜的な認識を全くせずに曲を発表しているケースも多いだろうしなぁ。

[追記 2]
またも、はてブのコメントに教えられたので追記。コメントして頂いたid:kanimasterさんのブクマにホームページへ特定楽曲のコード進行表を掲載しても大丈夫というエントリがあったので見てみると、コード譜についてのJASRACの回答があった。

楽曲タイトルは著作物ではありません。
また、お問い合わせのケースのように、歌詞や音符などを伴わず、コード進行のみでご掲載されるのであれば、その情報だけで、楽曲を演奏再現できないことから著作物の利用としては取り扱っておりません。

音符のあるなしが境界線のようだ。ということで、このエントリのタイトル「ウクレレ記法の楽譜は著作権侵害になるのか」というのは「ならない」というのが回答になりそう。勉強になった。

上書きされる言葉のイメージ

Vimの質問、あんまりだなぁ。実はVimを使っている人の割合ってEmacsとか秀丸とかに比べてかなり少ないのかな。まぁいいや。
Webの業界に入ってから、何度Apacheと聞いたか(言ったか)わからないけれど、新入りの頃は米軍ヘリの名前に聞こえて仕方なかった。そして、JavaコンテナのTomcatF-14北斗の拳を歌ってたTOM★CATだ。
他にもたくさんあって、キャッシュといえば現金払いではなく一時保存だったり、コントローラはゲームを操作する奴ではなくMVCモデルのCだったり、パールもルビーも宝石ではなく言語だったり、テーブルも食卓じゃなくてデータベースだったりで、とにかく常用語までも上書きされていっている。もっと言えば、2chのスレッドがマルチスレッドに見えたり、「結果ではなくプロセスこそ重要だ」という発言もCPUのプロセスにしか見えなくなったり。
休みの日くらいは、プログラムのことをすっかり忘れた方が良いかもしれない。

オフィスで使うツールに最適なのはJavaScript

はてなTシャツ欲しい!まさに「はてなTシャツを着て、夏を楽しみたい方!」なので当たらなくても買ってしまいそうだ。
さてと。会社で使用するOSにWindowsを採用しているところは多いと思う。先日、同僚が決まった書式からEXCELにコピペして集計とかを毎日やっていたので、自動化してあげようと思って「ツール作ろうか?」と持ちかけたのは良かったけれど、言語の選定に困った。自分用なら自鯖で動く言語(CやらJavaやらPerlやらPHPやらRubyやらBashやら)ならなんでもアリなのだけど、一般オフィスのWindows端末で動くとなるとCかJavaVBVBA)あたりで、「面倒だなぁ」と悩んでいたら最適なやつがあった。そう、JavaScript
JavaScriptWindowsでのテキスト処理系のツールにはかなり最適かと思われる。システム的な知識がない人が使うツールにGUIは必須だけど、これを作る工数がほとんどかからない。HTMLを書いて少々のCSSを書けば結構まともなインタフェースになる。また、.htmlのファイルに全てまとめて書いてしまえば、一つのファイルを渡すだけでいいので扱いやすい。ただ、HTMLの上になりたっているので、タグの表示とかタブ文字、改行など表示するときに少々の煩わしさもあるけれど。
ファイルを読み込みたいとか、複数のファイルに分割して保存したいといったローカルに対するアクセスが必要でなければ、JavaScriptは素晴らしいツール用の言語として活用できると思う。

スパイ大作戦を観よう

The Best Of Mission: Impossible Then And Now - Music From The Original Television Soundtracks

The Best Of Mission: Impossible Then And Now – Music From The Original Television Soundtracks

MISSION: IMPOSSIBLE と聞いてトム・クルーズを思い出すことなかれ。邦題の「スパイ大作戦」が似合う昔のやつだ。「おはよう、フェルプス君」のくだりが有名かと。
これのメインテーマ曲は多くの人が知っていると思うけれど、他の曲も非常に素晴らしい。テーマ曲の編曲が多いものの画面との愛称はバッチリで、旋律やリズム感が心地良い名作だ。作曲者のラロ・シフリンは映画音楽に詳しい人の間では有名人かと思われるけれど、有名どころでは「燃えよドラゴン」の作曲者でもある。
スパイ大作戦はドラマとしても素晴らしい。ストーリーは水戸黄門が如く単純でおおまかな流れは以下のような感じだ。

  1. 当局から指令が来る
  2. 作戦を考えて実行するメンバーを決める
  3. ターゲットに変装マスクなどを用いて接触する
  4. 裏で証拠を取る仕掛けを構築する
  5. ターゲットをまんまとハメる
  6. 証拠を掴むなどして任務完了

当局のターゲットになるのは悪人なので勧善懲悪系なのだけど、この単純なストーリー展開の中に様々な人間模様を描いている。翔子証拠を喋らせるために相手の相棒が裏切ったようにみせたり、危機的な状況に追い込んでお宝を持って高飛びをさせたり(勿論、高飛ぶ前にハメるのだけど)、スパイらしい技は駆使しているものの中身は人間ドラマのように感じられる。今観ても心が躍る発想が色々あって1960年代に放送されていたことを正直疑ってしまう。ある程度オリジナルメンバーを起用した続編「新スパイ大作戦」はピーター・グレイブスが結構老いてしまった感があるものの、同様に中々見所ありの作品である。
音楽から入るも良し、映像から入るも良し、機会があれば是非「スパイ大作戦」を体験すると良いのではと思う。

社会見学にデータセンターは如何か?

小学生とかの社会見学の話。今ではどこが定番になっているのか知らないけれど、自分のときは浄水場とか食品系の工場、または電力発電所だったように思う。勿論、生活に密着している事柄がどのような生産経由を辿っているかを直に知れるので、これらの場所を訪れることは有意義な体験になると思う。そこに付け加えて、ゆとり教育云々でもし社会見学に追加の余地があるなら是非データセンターをお勧めしたい。現状では多分データセンター側のセキュリティー的に外部の人は入らせてもらえないとは思うけれど、かなり有意義な経験になるだろう。
例えば「はてな」というWebサイトがある。「http://www.hatena.ne.jp/」の先には何があるのか?そこにあるのはサーバだ。もっといえば単なるパソコンがあるだけだ。手作りサーバなりラックサーバなりが並んでいる様を自分の目で見ることで、インターネットの世界が現実味が帯びるのではと思う。インターネットの概念はよく説明されているけれど、職業でWebの世界に居る人でなければかなり謎な世界だと思う。
はてな」という会社なら、ひょっとすると社会見学を受け入れるんじゃないかと期待してしまう。風力発電のついでにインターネットの通信先の姿をお見せ頂ければと。いや、小学生より真っ先に自分が見に行きそうだけど。

nipotanさんの「livedoorクリップ->はてブ」の使用方法

nipotanさんのlivedoor クリップのクリップをはてブにブクマしてみる件のやさしい使用法を。というか自分自身がPerlのど素人なのでやってみたことを書くだけ。OSはFedoraCore5で。(Perl使いの人からみてコラって内容があったらご指摘下さい。修正します。)
デフォルトインストールのPerlではモジュールが足りないのでインストールする。

$ sudo perl -MCPAN -e 'install DateTime::TimeZone'
$ sudo perl -MCPAN -e 'install DateTime'
$ sudo perl -MCPAN -e 'install XML::LibXML'
$ sudo perl -MCPAN -e 'install XML::Atom::Client'
$ sudo perl -MCPAN -e 'install Class::Accessor::Fast'

CPANの場合は最初に対話でいろいろ聞かれるけれど、それほど難しい質問はないのでざっと読んで答えていけば良さそう。次にnipotanさんのPerlモジュールを作成する。任意のディレクトリで

$ vi ./L2H.pm

とかやってここのコードの部分をそのままペタっと貼り付けて保存。次にパーミッションを変更してモジュールを配置する。

$ chmod 444 ./L2H.pm
$ sudo mkdir -p /usr/lib/perl5/site_perl/5.8.8/WebService/SyncSBS
$ sudo mv ./L2H.pm /usr/lib/perl5/site_perl/5.8.8/WebService/SyncSBS/

最後に実行するPerlコードを書く。ファイル名は何でも良いけれど

$ vi ./execL2H.pl

とかやって以下の内容を書く。

use WebService::SyncSBS::L2H;
my $l2h = WebService::SyncSBS::L2H->new;
$l2h->livedoor_id('livedoor_id');
$l2h->hatena_id('hatena_id');
$l2h->password('password');
$l2h->sync;

シングルクォートで囲まれた「livedoor_id」と「hatena_id」と「password」を自分のものに変更して保存。あとはパーミッションを変更して実行すればOK。

$ chmod 755 ./execL2H.pl
$ perl ./execL2H.pl

実行時間はブックマーク数1000個に対して10分くらいの時間がかかった。自分のマシンは構わないけれど、livedoorはてなのサーバ負荷が少し心配。
livedoorクリップのときは即座にはてなブックマークから乗り換えなかったけれど、こういうことができるなら乗り換えるかも。しばらくは様子を見てみる。
べっ、、別にこの前のはこのためのフリじゃないんだからねっ!l

livedoorにパクられて「はてブ」はオリジナルとなった

先日リリースされたlivedoor クリップを「はてブのパクリ」と書いているブログなどをいくつか見たけれど、これらの意見は「はてなブックマーク」というサービスが一人前になった証明ではないかと思う。
はてブ自身もリリース時にはdel.icio.usのパクリだと言われていた。今でもはてブがパクリという扱いなら、「livedoorクリップは、はてなと同様にdel.icio.usをパクった」という表現になるだろう。そこを「はてブのパクリ」と言わせたのは、はてなの功績だと思う。はてブは立派なパクリ元となれるだけのオリジナリティーを備えたということであろう。
ギタリストのポール・ギルバートはデビュー当時のインタビューで「イングヴェイの真似と言われていますが?」と聞かれて「そう言われても仕方がない。自分で聴いてもそう思う。」というような返事をしたことが雑誌に載っていた。彼は続けて「自分がギターを引き続けることでイングヴェイとは違うオリジナリティーが出てくるだろう」とも語っていたように記憶している。多くの事柄は元々オリジナルなのではなく、次第にオリジナリティーを獲得してゆくものなのであろう。
格闘ゲームでも、ストリートファイターIIがゲームセンターで大人気の頃、SNKが出した餓狼伝説は当然パクリと言われた。しかし、THE KING OF FIGHTERSが出る頃にはもう「ストリートファイターIIのパクリ」という言葉を聞かなくなった。同ジャンルを開発し続けることでSNKはオリジナリティーを獲得したのだと思う。
著作権など法律的な問題もとなり合わせなので、なかなか「是非パクるべきだ」と言える社会ではないけれど、もっと柔軟に「いきなりオリジナルでなくても続けることでオリジナリティーを獲得できる」という可能性を大切にして欲しい思う。