「生成AIで世界はこう変わる」を読んだ

これがミステリー小説なら、あとがきはこんな風になりそうだ。

「皆様には種明かしをしなければなりません。本書の著者である今井翔太は実は人間という形では存在しません。本書の原稿やSNSアカウントの投稿も全てリアルタイムに時事情報を自発的に取り込み発信するAIによるものです。さて、AI生成とわかった今、あなたはこの本の評価を下げますか?」

というのは冗談だけど冗談じゃなさそうな本(AIなら評価を下げるかの話は本書を読めばわかる)。

今井先生の公開されたこちらの資料も読んでいたし技術的なところや紹介されているアプリケーション等もある程度は知っている状態だったけれどグッと簡潔にまとまっていて良い復習になった。

ChatGPTにフォーカスしすぎず画像、音声等の生成AIにもかなり紙面を割いているのが良かった。未来予測的な文章もあるけど、どちらかというと現状をどう捉えるて考えるかという視点で気付けてない部分もあって勉強になった。

これは創作作品の鑑賞を楽しんできた筆者の私見になりますが、先ほどの研究における人間かAIかという二元論も、実際のところは本質的ではない気がします。
われわれは作品を鑑賞する際に、作品を生み出すクリエイターの情熱や、作品に込められたストーリーも含めて受け取り、感動しているのだと思います。

生成AIで世界はこう変わる

これはAIでなくてもそうなんだと思う。例えば、あるワインがあったとして産地やブドウの品種、どんな生産者がどのように仕上げているかまでソムリエに教えてもらって飲むのと、単にスーパーで買って来て飲むのではワインそのもの(成果物)に差がなくても受け取る価値は大いに変わると思う。

どういう生成AIが存在するのか、どういう利点があるのか、どういう問題があるのか、生成AIにまつわるあれこれを広範囲に取り扱いつつすごく短い文章でわかりやすくまとめてあるので、あまり知らない人にも2023年を復習したい人にもおすすめ。

「眼球堂の殺人 ~The Book~」を読んだ

YouTubeチャンネルの「ほんタメ」が好きでよく観てる。本屋で自由に選書して紹介し合う遊びであかりんがたくみさんと初めましてしたのがこの場所と言っていて、どんな回だったのか気になって観てみた。

ここで森博嗣の流れで「眼球堂の殺人 ~The Book~」が紹介されていた。ミステリはもう随分とご無沙汰だったけど面白そうに思えたのですぐに購入した。

面白かった。ラノベ等に比べるとちょっと小難しい表現は多いけど(ミステリだと普通)、平易で伝わりやすい文章だったし、描写やうんちくが過ぎたりもせず、テンポよく読めた。建築物の構造を文章からだけで読み取るのは僕には難しかったので図面があって良かった(図面がなかったら楽しみが半減してたかも)。

謎解きは一方的に天才が超越した見解を述べるのではなくたくさんの仮説を検証するステップがあるので読者としても参加して考えてしまう。それゆえか臨場感があって現場にいたかのような感覚を持った。終盤にかけてしっかり伏線回収をしていくので読み終えたときのスッキリ感(手離れ感?)も良かった。

文庫だと576ページあるみたいでそんなに薄い本でもないけど2日でさっと読めたし、また読書したいと思わせてくれる良い本だった。良い本を教えてくれたほんタメに感謝。

子供(15歳未満)のパスポートをマイナンバーカードでオンライン申請したら引っかかりまくった話

パスポートの申請がオンラインで可能になった。素晴らしい。ということでやってみたのだけど最終的に旅券事務所に子供を連れて出向いて申請するしかなくなってしまった。

後で振り返って確認すると色々とできないパターンが告知されており、その辺を理解せずに申請した自分が悪い。一方で、事前に全部理解してから進めろというのも無茶なので、発生したことと改善すべきことを書きたい。

発生したこと

  1. マイナポータルからパスポート申請(子供のマイナンバーカードを利用)
  2. 申請最終ステップのデータ送信時にマイナンバーカードの読み取りに失敗
    • パスワードがロックしています お住まいの市区町村の窓口でロック解除の手続きを行なってください。(EI844-3304) と表示される
    • 今まで使ったことがないのでロックの原因は不明だが、コンビニで署名用電子証明書用暗証番号を再設定することにした
  3. コンビニで暗証番号を再設定
  4. 申請最終ステップのデータ送信時にマイナンバーカードの読み取りに失敗
    • マイナンバーカード以外のカードを読み取ろうとしていないか確認し、もう一度お試しください。(EI844-3306)  と表示される
  5. マイナポータルに問い合わせ
    • JPKIMobileアプリで証明書を確認して欲しいと回答があり確認したところ モバイルJPKIエラー、エラーコード : E0044、詳細コード : 00210010、内容 : 証明書データが不正です。 と表示された
    • 署名用電子証明書に問題があるので自治体窓口でマイナンバーカード更新が必要との回答あり
  6. 自治体窓口にマイナンバーカードの更新に行く
    • 15歳未満のマイナンバーカードには署名用電子証明書が原則発行されていないとのこと
    • 子供のマイナンバーカードに署名用電子証明書を設定してもらう
  7. マイナポータルでパスポート申請が成功する
  8. 旅券事務所よりマイナポータルの代理人サービスで申請が必要と連絡をもらう
    • これにより先の申請は無効となる
  9. マイナポータルで代理人サービスを設定(子供のマイナンバーカードの操作を親が代理でできるようにする)
  10. マイナポータルで再度パスポート申請
    • 代理人として申請するのだから、署名用電子証明書も当然代理人(親)のものを使う。ということは、そもそも子供のマイナンバーカードに署名用電子証明書を設定する必要はなかったのでは?
    • 自治体窓口でも「パスポート申請ができて便利なので子供のマイナンバーカードに署名用電子証明書を設定した方が良いと」言っていたので担当者も誤解していたと思われる
  11. 旅券事務所より前回パスポートから本籍地の変更がある場合は受付できないと連絡をもらう
    • 旅券事務所側では受付の取り消しができないそうで、旅券事務所に本人(子供)が出向く必要ありとのこと
    • 旅券事務所側でも取り消しできない、というのは意味がわからないが、どうも本籍地が変わっているとそもそもオンライン申請の対象外のようなのでどちらにせよ出向くしかなさそう
  12. 子供を連れて旅券事務所に出向くのであればこれ以上オンライン申請を行う意味がないので現地で申請することにした

箇条書きでも長い。

元々仕様として制限されていることをゴネても仕方がないので改善できそうなことを書く。出来ないことはエラーにする、誤解しにくいエラーにする、ということだけでもやってもらえるとここまで困らなかったと思う。

署名用電子証明書が未設定のエラーがおかしい

マイナンバーカード以外のカードを読み取ろうとしていないか確認し、もう一度お試しください。(EI844-3306) 

署名用電子証明書が設定されていないことに対してこのエラー表示はおかしい。

もしかしたら未設定=パスワードロックとみなされて パスワードがロックしています と表示されるがそこからコンビニでパスワードを設定してしまったのでさらにおかしいエラーになったのかもしれない。

ただ、パスワードロックとして扱うのもおかしいので、やはりエラー表現としてはおかしい。

署名用電子証明書が未設定にも関わらずコンビニでパスワード設定できるのがおかしい

署名用電子証明書が設定されていないにも関わらず、そのパスワード設定はコンビニで問題なく行える。エラーにもならない。一体何を設定したのだろうか。エラーにすべき。

代理人サービスで申請すべき事案に署名用電子証明書を設定させるのがおかしい

そもそも子供のマイナンバーカードには署名用電子証明書の設定自体が不要(代理人(親)の署名用電子証明書を使うから)。

15歳未満のパスポート申請を目的に子供のマイナンバーカードに署名用電子証明書を設定するのはおかしい、という情報共有が担当者間でも行われていないと思う。

15歳未満がパスポート申請できるのがおかしい

15歳未満であることはマイナンバーカードを読み取りしている時点で知り得る情報であり、そもそも申請できるのがおかしい。本人による申請はできません、代理人サービスをご利用ください、というエラーにすべき。

あとがき

最後の本籍地の変更はおそらくマイナポータル上でエラー検知できないと思うので、この点に関しては仕方がないと思う。一通り引っかかって理解した後だと、確かに色々事前に注意書きがあることに気付く。けれども、注意文言を書きまくって免責してるからOKというのは典型的なダメUIだと思うので改善して欲しい。

子供に正面向いてもらって写真を撮るのにすごく苦労したけど全部無駄になってしまった。ため息しか出ないけれど気を取り直して旅券事務所に出向こうと思う。

オンライン手続きできるようになったのはとても嬉しいので、不遇な人が減るようにシステム改善をお願いしたい限り。

「Good Code, Bad Code」を読んだ。

目次は吟味せずに買って読んだ。こういう呼び方をするのは知らなかったみたいなものはあれど、内容的にはよく知っていて普段から実践したりコードレビューで提案することだった。

数えてみるとソフトウェアエンジニアになって19年目になるので逆にこの本に書かれていることに驚くようではダメだけど、網羅的に書き出せと言われたら困るので良い反芻になったと思う。

本書は400ページ近くあるけれど扱っている範囲は少なめだと思う。トピックをかなり厳選した上で丁寧に説明することに紙面を割いていると思う。良かったところを2つ書こうと思う。

リアリティある問題設定

どれも開発現場で実際に出会う “考えるべきこと” ばかり。教科書英語じゃなくてネイティブが使う本当の英語みたいな感じ。事情により不出来なコードを書かざるを得ない場合に説明するコメントが有用であること、プログラマが例外を塗りつぶしてしまう動機、継承が破綻しがちな理由など、理想通りにならない現実を前提にした話が良い。

コードはすぐ壊れる

改修に弱いコード、他人が壊しやすい/誤用しやすいコード、といった書いた瞬間は問題がないように思えてすぐ酷い目にあうパターンを取り上げている。経験が長いと大抵痛い目にあって反面教師的に習得しているけれど経験がまだなくても本書で学んで不幸が減ると良いなと思う。

全体として

全体的に見れば目新しいことはなく基礎として押さえておきたいものがほとんどだと思う。最後にあるユニットテストは知ってる人が見ればその通りだけどテストに馴染みがない人に対してだと伝わり切らない感じがした。普段からテストコードは書くけれどなんとなくになっている人には良いかもしれない。

動くプログラムは作れるけれど、製品開発/チーム開発におけるもっと良いコードが書きたいという人におすすめできる本だと思う。

2022年に聴いた曲

今年何度も聴いた曲の記録。どメジャーなアニメ曲ばかりではないか!

KICKBACK

チェンソーマンのOP。よく言われている転調もすごいのだけど、8ビートに見せかけた16ビードだったり、サビ後半のバスドラ連打、展開の繰り返しの少なさ、各所に相の手を入れるシンセやギター、やりたい放題凝縮感が本当に素晴らしい。

ミックスナッツ

SPY×FAMILYのOP。アニメの世界をここまでうまく表現した歌詞はないのではないか。歌詞の凄さに感動した。Jazzっぽいアレンジであっても全くルパン系ではない方向になっていて良い。

残響散歌

「鬼滅の刃」遊郭編のOP。最初から最後まで綺麗にずっとカッコ良い。歌声が綺麗。

白銀

「鬼滅の刃」無限列車編のED。これも終始カッコ良いので好き。歌声が貫いてくる感じで好き。

廻廻奇譚

呪術廻戦のOP。これは去年聴いていた曲かも知れないけれど記憶があやふや。これも歌詞がアニメ世界になっていて素敵。呪い呪いはせずに軽快に祓う曲調が良い。

Just Be My Treasure

2020年の曲だけど今年たくさん聴いた。Racer XのSuperheroesっぽいフレーズを入れ込んでくるんだけどLi-sa-Xがやる分にはPaulも許すだと思うのでもはやファンサービス感がある。

Top Gun: Maverick Main Titles

良い映画だったなぁ。みんなが本当に観たかった映画はこれだろ?!を真っ向から作った名作。この曲はオリジナルのTop Gunから大好きだけど改めて新バージョンを何度も聴いた。

Love the Subhuman Self

GUILTY GEAR -STRIVE-(ゲーム) のミリア=レイジというキャラの曲。この曲は久しぶりに本格なデスメタルサウンドで感動した。ボーカルはデスボイスじゃないけど、これはデスメタルをよく知っていないと、もっと言えばギタリストがいないと作れない曲だと思う。

Surges

TikTokでよく耳にしたのがきっかけで聴き始めたけど、ELTとかを思い出すちょっとした懐メロ感があって聴いてたらなかなか中毒性があった。

結論、ほぼアニソン聴いてた。

「ドメイン駆動設計 モデリング/実装ガイド」を読んだ

BOOTHから購入できる。
https://little-hands.booth.pm/items/1835632

ウェブやPDFで文字を読むのは普段は平気なのだけど、技術書だけはなぜか紙じゃないと読む気にならないので印刷があるのは大変嬉しい。

naoyaさんにこうも言わせる本ということで衝動買いした。

DDDに関しては断片的に情報に触れることは多々あったけれど体系的には学べていなかった。正直なところ理想論的な印象が強かったのと、コードレベルではより複雑になるのでは?疑念が拭えず深入りしてこなかった。

この本はとにかく短くて読みやすい。参考書に赤線を引くとしたら、その赤線の部分だけを本にした感じで、とにかくここだけ押さえろという凝縮を感じる。具体的なのも良かった。コードで書いてくれないと結局どういうこと?の答え合わせができないので微妙なのだけど、この本はちゃんとコードで説明してくれている。ありがちな問いに答えるQ&Aも非常に良かった。

この本を読んだ上でも、実装については言語特性や規模に依って採用する/しないは判断が分かれるところだと思う。本書でも絶対的正義のような書き方はされておらず手法を知った上で適切な判断をすることが重要というスタンスになっている。

本書の前半に書かれているそもそも何を解決するのか、それに対するモデリングはどうすべきか、についてはどんな言語やDBを使っていても参考になる内容だと思う。

DDD原理主義っぽさを出さずにDDD推進してる良書でした。

Music ManのJohn PetrucciシグネチャーモデルMajestyを買った

John Petrucciのファンとしては夢の品。値段が値段なので10年以上躊躇してきたけど、10年以上経った今でも次に欲しいギターはこれしかなかったので買うことを決意。

どこで買うのか悩んだけど、実際の店舗に行っても欲しいものがある可能性は低いし、仮にあってもちょっと弾いたくらいで状態を確認できるほどの鑑識眼もない。オンラインで欲しいバージョンを見定めつつ、仮に問題があっても購入後の対応をしっかりしてくれるであろう店舗で買うことにした。検討の結果、イシバシ楽器店 渋谷店さんで買うことに。購入前に写真をお願いしたらたくさん撮ってもらえたし、商品が到着するまで丁寧にサポートしてもらいました。

11月初旬に購入したのだけどメーカーでの初期セッティングをお願いしたら6〜7週間かかるということで受け取りは年末になったけど今年中に受け取れてよかった。

開封の儀。

待ちに待ったご対面。

買ったのは2019年に発売されたシリーズのMajesty 6 Enchanted Forest。Music ManのJohn Petrucciシグネチャモデルは2000年からあるので種類がたくさんあるのだけど特に2019年になってピックアップがMajesty専用に開発されたものに変わった。フロントがRainmaker、ブリッジがDreamcatcherでDiMarzio製。最新版Majestyは値段が高すぎるので2019年が良い落とし所になった。

美しい。ポリウレタンでフィニッシュしたギターを見るのが久しぶりすぎてテカテカに慣れない。

スルーネックも美しい。

ヘッドにはJohnのサインと、1フレットにはDream Theaterのインレイ。僕はDream Theater好きだからいいけどそうでない人にはやりすぎかも。まぁシグネチャーモデルだしね。

肝心の音について。生音は中音抑え気味に軽く鳴る感じ。ボディの鳴りというよりは弦の鳴りが綺麗という印象。ピックアップ音はどれも極めて好みのサウンドで、特にピエゾピックアップとマグネティックピックアップをミックスしたクリーンサウンドが至高。それぞれボリュームが分かれているのでミックス具合も調整できる。元々ピエゾの音はかなり目当てだったんだけど単体だとエレアコを弾いてる感じなのでマグネティックとミックスする方が表現の幅が断然に上がって良い。

ピックアップはフロント、フロント+ブリッジ、フロント+ブリッジ(ハムキャンセル)、ブリッジが選択できて、あとはピエゾをミックスした組み合わせか、ピエゾ単体になる。

歪ませた音ももちろん素敵で、AmpliTubeのMESA/BoogieでMark VのMark IIC+モードで鳴らしているけど、もうJohnの音が手元にという感じで大満足。

わざわざ長い時間をかけてでもメーカーでセッティングをしてもらったのは販売店による調整ではなくMusic Manとしての初期出荷状態を知りたかったため。特に弦高とネックの反り具合の調整が気になっていた。ちなみに長時間かかったのは弦高等のセッティングではなくネックに多少の跳ね上がりがあったらしくフレットを抜いて修正したため。結果論だけどメーカーにきっちりチェックしてもらえて良かった。

弦高は12フレットの6弦が2mm、1弦が1.6mmくらいだった。

工場出荷時の弦の標準チューニング設定において、12フレットから弦まで低音弦側で1.59mmから1.98mm、高音弦側では1.19mmから1.59mmの弦高になる。

https://www.musicmanguitars.jp/faq

公式の記述がこうなっているので、おそらく一番高い設定で6弦 1.98mm、1弦 1.59mmで調整されているものと思われる。この範囲の中では「高い設定」だけど一般的な弦高としては全然高くなく、フレットバズ(ビビった音)もそれなりに発生している。ただこの弦高にしては大したフレットバズでもないのでギターの精度の高さを感じる。Johnのテックの話だと理想的には低音弦で1mmらしくその場にあるギターで確認したら1.5mmとのことだった(ここで確認したのは7弦ギターなのでやや高めなのかも)。つまり彼の弦高はもっと低いらしい。Johnの弦高について話されている該当箇所はこちら。

ネックの反り具合については1フレットと24フレットを抑えた状態で12フレットと弦が当たるスレスレな感じにしっかり調整されていた。

公式のFAQ、時間が経ったら消えたり記述が変わったりしそうなのでキャプチャを置いておこう(Music Manに限らず楽器メーカーのホームページはURLが変わったり過去製品の情報が消えたりが多くて辛い…)。

CaparisonのApple Hornは15年使わせてもらったけど今でもしっかりしていて古びることがない良いギターだった。並べてみるとCaparisonの方がネックの幅が狭いことに気づいて測ってみたらMusic Manは45cm、Caparisonは43cmと微妙に幅が違った。

冬休み中に存分に弾けるのが嬉しい。今年ももう終わり。みなさま良いお年を。

ギターのフレットを磨いた

フレットがくすんでいるの前から気になっていたので磨いてみることにした。ついでに色々とクリーニングについて調べて良さそうなものをまとめて購入した。

写真はクリーニング後の状態。フレットもピカピカになった。

フレット磨きにはこの二つを使った。指板をカバーしつつステンレスみがきクロスでゴシゴシ。みがきクロスは使った箇所が真っ黒になる。手も真っ黒になる。

フレットの次は指板をクリーニング。今まではレモンオイルを少量拭いて終わっていたけど、汚れを取ってから油をつけるようにしてみた。

汚れ落としは定番っぽいのでTP11 Fretboard Cleanerを購入した。クロスは汚れたら買い直しだと思ったので安価なYAMAHA PUCL2を選択。

レモン(オレンジ)オイルと違って、このままだと油分がない状態になってしまうので、 BIGBENDSのFRET BOARD JUICE を塗って仕上げる。柑橘オイルと違って無臭なのが良い。伸びも良くて使いやすかった。

ボディ・ヘッドのクリーニングにはKen Smith Pro Formula Polishを使うことにした。これもかなりの定番商品みたい。ボディ・ヘッドは傷に注意したいところなのでクロスは評判の良いモーリスのものを選んだ。

一度にギター2本をやったので時間かかったけど(特にフレット磨きが)、ピカピカになったので満足満足。

ネックの反りを自分で直してみた

先日Caparisonをメンテナンスに出してネックの反りを直してもらったら、こんなに違うのかと体験できた。そうすると調整していないIbanezeの反りがすごく気になってきたので自分で直してみることにした。

ということでトラスロッド用のレンチを購入。Ibanezeは7mmサイズ。直し方は 弾きにくくなってしまったネックを自分で調整したい! – ヤング・ギター YOUNG GUITAR を参考にした。

Ibanezeは順反りだったのでロッドを右回し。4弦と5弦を緩めて20°くらい回してチューニングして確認を数回繰り返したらあっさり直った。トラスロッド素晴らしい。

Caparisonもメンテナンス後に弦高を変えたり弦ゲージを変えたりしたためか少し反りを直したくなったので調整することにした。ところがレンチが合わない。サイズを調べても見つけられなかったけどひとまわり大きい8mmを買ったらぴったりだった。

レンチが2本になってしまった。

今までなんとなく自分でやるのが怖くて避けてきたけど、直ったときの変わり具合を体験すると、直していない状態がすごく嫌になった。安いギター(僕の場合このIbanezeは比較的安価)で試せば自信もつくから、自分でできるようになってみるのも良い。

僕の持っているギターは弦を張った状態でも緩めれば調整できるけれど、ネックを外さないと調整できないギターは辛そう。勘がないとどのくらい回せば良いかわからず繰り返しが多すぎて嫌になりそう。

反りも直って快適になったけど新しいギターが欲しいです。

CaparisonのApple HornをBIGBOSS京都さんで調整してもらった

Apple Horn-HGS Charcoal Blackを買ったと書いたのが2006年なのでもう15年も使っている。それもほぼ毎日弾いている。このギターは一度リペアに出しているのだけど買って2年後だったみたい。今思うとそんな早々にリペアに出したんだなという感じ。

そして今は2021年。月日が経つのは本当に早いですね。Music ManのJohn Petrucciモデルが欲しいと思ってもう10年は経ってますね。

さて、15年経っても良い状態をキープしてくれていたApple Hornだけど、ボリュームとピックアップセレクタを兼ねているコントロールポットが壊れてしまった。最初はボリュームを操作すると途中で音が途切れたり、最大ボリュームにならなかったりという接触不良レベルだったけど、ついにはポットのON/OFFができなくなってしまった。フロントピックアップしか使えないのは致命的すぎるのでこれは修理だなと決意。

前にリペアをお願いしたところも良かったけれど遠方に郵送は大変だしお金もかかるので近場でお店を探してBIGBOSS京都に行ってみた。

コントロールポットは交換するとして、あとネックが反っているなど各所調整したほうが良いということだったので調整もお願いした。行ったのが夕方だったので即日は無理かと思ったら、1時間ちょっとで完了するということで当日中に受け取ることができた。すぐに取り掛かってもらえるのは地味に嬉しい。

ということで調整してもらった。早速お店で弾いてみると「弦高が低い!!!」となってしまったので質問してみたらネックがくの字に反っていて平らに戻したらこうなったというのと、Caparisonはテクニカル系のギターなので標準的にはこのくらいということだった。

なるほどと思いつつ、ただ僕は弦がビビる(弦高が低い《弦がネックと近い》と鳴らしたときに弦がフレットに当たってジーンみたいな余計な音が出てしまう現象)のすごい嫌いなのでもうちょい高いほうが良いと伝えると、その場で弦高を高く調整してくれた。

修理前に比べるとまだ弦高は低めだけどそんなにビビらない。ビビらないなら低いに越したことはないのでこれで調整完了にしてもらった。

家に帰ってきてからチューニングを確認したら、オクターブチューニングだけでなく6フレットとか15フレットとかの途中の音程もかなり合うようになっていたのでネックの反りの解消は偉大だなと思った。前のリペアから数えると13年間も無調整だったので、せめて5年とか10年に1回くらいは調整してもらうべきかもしれない。

費用は ポット交換3,000円 + ポット部品代1,800円 + 調整5,000円 + 弦560円 + 税 で11,396円。元々は修理が目的だったけど、結果的に長年放置した調整をしっかりやってもらえて良かった。スタッフさんはとてもフレンドリーで話しやすかったです。ギターの状態に困ったらBIGBOSS京都さんオススメです(京都市内の人は)。