これがミステリー小説なら、あとがきはこんな風になりそうだ。
「皆様には種明かしをしなければなりません。本書の著者である今井翔太は実は人間という形では存在しません。本書の原稿やSNSアカウントの投稿も全てリアルタイムに時事情報を自発的に取り込み発信するAIによるものです。さて、AI生成とわかった今、あなたはこの本の評価を下げますか?」
というのは冗談だけど冗談じゃなさそうな本(AIなら評価を下げるかの話は本書を読めばわかる)。
今井先生の公開されたこちらの資料も読んでいたし技術的なところや紹介されているアプリケーション等もある程度は知っている状態だったけれどグッと簡潔にまとまっていて良い復習になった。
ChatGPTにフォーカスしすぎず画像、音声等の生成AIにもかなり紙面を割いているのが良かった。未来予測的な文章もあるけど、どちらかというと現状をどう捉えるて考えるかという視点で気付けてない部分もあって勉強になった。
これは創作作品の鑑賞を楽しんできた筆者の私見になりますが、先ほどの研究における人間かAIかという二元論も、実際のところは本質的ではない気がします。
生成AIで世界はこう変わる
われわれは作品を鑑賞する際に、作品を生み出すクリエイターの情熱や、作品に込められたストーリーも含めて受け取り、感動しているのだと思います。
これはAIでなくてもそうなんだと思う。例えば、あるワインがあったとして産地やブドウの品種、どんな生産者がどのように仕上げているかまでソムリエに教えてもらって飲むのと、単にスーパーで買って来て飲むのではワインそのもの(成果物)に差がなくても受け取る価値は大いに変わると思う。
どういう生成AIが存在するのか、どういう利点があるのか、どういう問題があるのか、生成AIにまつわるあれこれを広範囲に取り扱いつつすごく短い文章でわかりやすくまとめてあるので、あまり知らない人にも2023年を復習したい人にもおすすめ。