実践、リアルタイム引継ぎ

洩音 [EION] ≫ リアルタイム引継ぎとは
人間を冗長化するという発想トラックバックを頂いたので、リアルタイム引継ぎについてもう少し。
リアルタイムに引継ぎを行うべき理由は大きく2つある。1つ目はEIONさんも書いているように、冗長化のメリット。同等のパフォーマンスの人が複数いることは欠員(システムでいう障害)のときに非常に強い。
もう一つの理由として、引継ぎという行為自体がリアルタイムでなければ困難であるという点がある。ある人が一年やってきた仕事を引継ごうとすると、本当に一年近くかかることが多い。勿論、マニュアル化された作業についてはすぐに引継ぐことができるのだけれど、トラブルや人間関係など色々な要因で、結局長い間悩まされることになって、ようやく一人前な引継ぎ状態となる。大体その頃にはその人も誰かに引継ぐ身になっていることが多いけれど。
これは引継ぐときに経緯を伝えきれないことに起因すると思う。ドキュメントに掲載されるのはほぼ結果(決定事項など)だし、話して伝えるには時間が少な過ぎる。結局、引継がれた者は過去(ドキュメントや人の言っていること)を鵜呑みにすることしか出来ない。ここで大体誤解が生じる。だから上手くいかない。
では、リアルタイムに引継ぐにはどうしたら良いのか。自分としては具体的に以下の点に気を付けている。

  • 一人で会議に出ない

出来るだけ同職の人と出席するようにしている。フィードバックよりも断然その場にいた方が良いからだ。担当者と直接接する場を共有することで、「ああは言っていたけれど、実はこう」みたいなところが理解・共有しやすい。

  • 作業や成果はその時にばらまく

例えば、Linuxサーバーに何かアプリケーションをインストールしたなら、「インストール手順」なんていうディレクトリをファイルサーバーに作っている場合ではない。即座に実施コマンド付きで同職種の人にメールで伝達する。以後、別の人が探せるようにという理由でファイルサーバーにも同等の内容は置くけれど、「必要なときに見てね」という資料は、必要なときに見つからないことが多い。そのときあまり関係がない人にも、少々強引に伝えてしまうことが大切。

  • 備忘録は他人の記憶に置く

忘れてはいけないと思って机を付箋だらけにしている人が多いけれど、自分は他人の記憶を利用する。覚えるべき内容を説明して他人に覚えておいてもらう。とはいえ、自分で覚えておくことは当然大切なのだけれど、備忘録として相手に伝えるということは「忘れてはいけない重要事項」をリアルタイムに引継ぐことになって効果的だ。あと、これは冗長化としても効果的。

コツは意図的に引継ぎ時間を作ったりしないこと。常に「自分しか知りえない情報」がないように心掛けることこそが、リアルタイム引継ぎの第一歩だと思う。

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