先日、zk designに依頼した名刺を受け取った。素晴らしい出来なので、その経緯などを残しておこうと思う。
依頼
元々、個人名刺を作りたいとは思っていた。会社の名刺はもちろん持っていて、通常はそれで困らないのだけれども、別段会社が関係がない場合に会社の名刺を使い回すのはどうかなと思っていたのが主な理由。自分でデザインなどしてみるときもあったけれど、個人の分身たる名刺なので、なかなか思うようにデザインすることもできずに作れていなかった。
営業職から転職するときに、元々はデザイン会社などになんとか勤められないものかと思っていたのだけれども、わからないもので、プログラミングの世界にノリツッコミしてしまった。結果、デザインスキルが向上するのを待っていても仕方がないと観念してプロに依頼することにした。
そこで、zk designに依頼を持ちかけてみたところ、快諾してもらい、いよいよ個人名刺を作成することになった。
デザインになるまで
どういうものを作りたいか、ということは当然ヒアリングするところだけれども、そのやり取りは新鮮で面白いものだった。
まずは、コンセプトを決める作業から始まった。履歴として残しているwikiから一部コンセプトのところから抜粋すると次のようなコンセプトからスタートしている。
- クローン、ドッペルゲンガー
- 複製、コピー、複製技術
ただ、このコンセプトだけではあまりにも漠然としているので、次のように補足事項がいろいろとメモとして追加された。
- 元来の目的として、「身分を表明する」「持ち帰っていただいて連絡先を提供する」という機能は必須
- (お笑い的な意味ではなくて)おもろいな自分と思われるような。interestingな人。
- 複製されていることを知らなければ、その場で渡される一枚が唯一と考えています。
- 基本は知らない人にあったときに配布。会社の業務外はすべて。
- 『名刺なんぞじゃ人間なんてわかりゃせん、しかーし、わかることもある!』というところでしょうか、目指すところは
既に無茶苦茶である。しかし、このような要素を一度、zk designが持ち帰って考案する。
アイディア
次にアイディアレベルのものがいくつか検討される。実際に出たものをいくつか抜粋。
- 二枚重ねにして一枚はOHP的な透明なのにする→同じ内容を印刷
- 一枚に4分の1サイズで同じ内容を4つとか印刷する
- 複写っぽく全体が反転して版画みたいな感じ
- 鏡にする(あなたのクローン)
- 左側にきれいな手本があってそれを必死に書き写そうとしている右側半分
- 名刺の内容の書かれた版画の、彫られた木のほうの写真が名刺
- コピー機から名刺が出てくるところを模した名刺
- その場で原盤の名刺をポラロイド撮影する
- やたらと細かい情報までひたすら名刺に掲載して「この名刺が私のクローンです」的な方向
- 名刺のスタンプ作ってその場にあるものを何でも名刺にしてしまう(その場で作られるがゆえにオリジナルであり同時にスタンプであるがゆえに複製である、みたいな)
- 大量の複製された名刺を山積みにしてそれを上から写真に撮ったその写真が名刺。
この時点ではまだ名刺っぽさが全くないけれども、いくつかこれは良いなどと意見を言って話がまとまってゆく。
好み
ここで改めて好みについてヒアリングされる。自分がそのときに挙げたのは次の通り。
デザイン案
これらの情報を集約して3つデザイン案を提案してもらった。その中から一つを選択。また、最終的な掲載内容についての精査などを行う。この段階からは、随時画像ファイルをもらいながらの意見交換。
紙を選択
デザイン案が固まってきたところで、紙を選ぶ。たくさんのサンプルからおすすめや特徴を聞きながら、コストを考えつつ紙を選ぶ。デジタル媒体ではないので、印刷対象の紙にもこだわりあり。相談の上決定する。また、合わせてどういう印刷方法をとるかなども説明を受けながら決定する。
印刷オーダー
枚数とコストを見積もりしてもらって、印刷の発注先を決める。ここまでこれば到着が楽しみに。