みるみる理解できる量子論―相対論と並ぶ自然界の2大理論ミクロの世界では常識が (ニュートンムック Newton別冊サイエンステキストシリーズ)
- 作者: 和田純夫
- 出版社/メーカー: ニュートンプレス
- 発売日: 2009/03
- メディア: ムック
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観測するまでは状態は確定しない、という部分だけを切り出して、振り向くまでは後ろに人がいるかどうか確定しないだとか、それだけ聞くと怪奇現象みたいな量子論。量子論の勉強はしたことがないのだけれども、よく見かける説明では全然納得できなかった。
納得できなかった理由の一つに、説明のスタンスが「これは量子論ではこうなります」と断言されてしまうところ。「星は小さくみえますが、望遠鏡でみれば大きくなります」みたいな感じで、何故(この例だと光がレンズで屈折する仕組み)の部分が無視されている印象が強い。本書では「これは量子論ではこうなりますが、当然納得できませんよね?」という展開になっていて、主に我々が体感している物理世界と比較した疑問点にフォーカスが当てられている。
納得できなかったもう一つの理由は、「現在でもわかっていないこと」を省略すること。「それじゃ説明になってませんよ」という状態で話が終わるので納得できなかった。本書では「現在でもわかっていないこと」について明確に書かれている。その上でこの説が主流ということを示してくれるのですっきりする。
それ以外にもさすがはNewtonで、強力な図解があったり説明そのものが上手だったりで大変素晴らしいと感じた。
今日のビールはNewtonだなと思ったけれども近くに売っているところがないので断念。
「シュレーディンガーのネコ」の思考実験が詭弁にしか聞こえず何を言いたいのかと思う人におすすめ。
前からその本が気になってました。
一応大学で学んだんですが、今は頭の片隅にあるような、ないようなw。
clonedさんがそこまで褒めるんだったら、僕も復習がてら買ってみようかな。
深くは踏み込まないので入門レベルの内容ですが、理解のしやすさではとても良い成果を出すと思います。
その他のNewton別冊も気になるところです。