箱は実用的な面以外に覆うという効果を持っている。中を隠すということが中身の価値を高めているのだろう。だから、世の中のいいもので箱に入っているものは多い。
物語などでは箱にびっくりするようなものが入っていることが多い。ドラクエの宝箱なんかは中身を期待してドキドキしてしまう。はぐれメタルが宝箱を落としたときなどは、なかなかAボタンを押せない。
この効果は高価値なものだけに発揮するわけではなく、びっくり箱でもミミックでも良い。箱に入っているというワンステップが素敵なだけ。
そんな箱もひとたび蓋が開いてしまうと価値を失う。箱の蓋が既に開いている状態で手渡されたらどうかを考えれば解る。「玉手箱、って何かもう煙出てるし!」とか「パンドラ箱、って既に空いてるよ・・・」とか。
重要なのは密閉されているかではなく、隠れていることだろう。だから、スケルトンの箱はあまり意味がない。
こうして箱のことを考えていると頭に浮かぶのはこれ。
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/01/05
- メディア: 新書
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京極ファンならずともお勧めできる名作。最初は内容よりも本の厚さが気になるけれど、すぐに慣れるので時間のある方は是非。