「笑わない数学者」を読んだ

笑わない数学者 (講談社ノベルス)

笑わない数学者 (講談社ノベルス)

引き続き森博嗣氏の小説。本書で自分が感じたテーマとして、定義しなければ不定というものがあった。こういう表現では思っていなかったけれども、自分が思っていたのは「意味は人間が付与するもの」ということだった。そういう意味で少し共通項を感じた。
人間は不定な状態が嫌いなのだと思う。いや、不安定よりも安定を好むという点に関しては人間に限らないような気もする。不定な状態が嫌だから、この世はどこから始まったのかとか、自分の人生に何の意味があるのかとか考えたくなるのだろうなと思う。答えを見つけて安定したいのだ。
自分はこの世の始めは「ない」が正解だと思っているし、人生の意味も「ない」が正解だと思っている。前者は無限に過去を遡ることが可能だと思うからであり、後者はそもそも人間が意味を決めた時点で発生するものだと思うからだ。
真実かどうかは知らない。この小説を読んでぼんやりとそんなことを改めて感じた。

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