酒につまみに演歌ができる大人になれて良かったと心から思う。今、風呂上りにビールと少々のつまみを用意して、演歌を流してるのだけど(ちゃんと夜ご飯食べろよ)。
演歌の好いのは楽器の主体が完全に唄になっていること。曲と歌詞はかなり影響力があるけれど、あとは歌い手次第だ。だから、演歌は歌い手が表現しやすい形態になっていて、歌詞を短く詰め込んだり、トリッキーな音程変化や拍子はほとんど出てこない。
演歌系の歌手では前川清(演歌っちゅーか歌謡曲だけど)が一番お気に入りだけど、他には北島三郎、石川さゆりあたりが好き。曲を絞るなら山本譲二、山川豊、鳥羽一郎とかも聴く。美空ひばりは当然最強の歌手だなと思うけど、どうもブルースの印象が強い。今のところ氷川きよしはあまり聴かない。歌い方がどちらかと言えば快活な感じなので、演歌というよりロックやポップスの方が合っている印象。
それにしても20代の人間がこうも演歌を自分の意思で聴いている(当然一人で)のだから、ちょっと世間と合わないかもしれない。こういう趣向の問題は小さい頃の生活環境の影響が大きいかもしれない。親はクラシックとポピュラーミュージック(もうこんな言い方しない?)と歌謡曲と演歌、あとは映画音楽とかのサントラが好きで、家でもよくかかっていたから演歌は自分にとってはとても聞きなれたジャンルなのだ。あとは大人になったことで、内容を理解できるようになった点もあるかな。「酒や、酒もってこんかい!!」みたいなセリフも少し解る気分。
だから、演歌は親父臭いものではなくて、単純に最近の若い人に聞く人が少なくなっただけだろう。若い人用とか年寄り用とかいった分別は良くないと思う。当然だけど、演歌歌手自身だってかなり若い頃から唄っているのだから。
少し話は逸れるけれど、iTunesで演歌の曲名を取得するとジャンルが「World」となる。演歌の英訳にはなっていない感じだけど、まぁワールドミュージックといえばワールドミュージックだ。