史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)
- 作者: 飲茶
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/10/05
- メディア: 文庫
先日読んだ「哲学的な何か、あと科学とか (二見文庫)」と「哲学的な何か、あと数学とか (二見文庫)」と同じ著者。赤い表紙が西洋哲学者で、青は東洋哲学者。
作風はどちらも同じで、ある時代で超偉大な哲学者の論を時代背景を交えて解説した後、次世代の哲学者がダメ出しして新しい論を打ち出し、そしてさらなる次世代の哲学者が…という流れ。
時系列ではあるけれど突然数百年飛ぶこともあるし歴史としてみると大雑把だけど、うまく前世代と次世代の論を比較しているのですごく面白い。
2冊とも作風は同じだけど読み応えはだいぶ違う。西洋哲学は論理構築の歴史といった感じでひたすらどうすれば真実と言えるか探求が続く感じだけど、東洋哲学は中国哲学(思想?)と仏教が主な内容で、深く内容を追いかける感じだった。
全体を通して最も良かったのは仏教の部分。ちゃんと釈迦の時代、というより釈迦以前のインドから始まっているし、悟りは体験によってしか起き得ないということをびっくりするくらい丁寧にあの手この手で説明している。知識だけでは悟りにならないこと自体は知っていたのだけど、なるほどこう説明するのかわかりやすい!と頷きながら読んでいた。
哲学、というとポエムっぽいというか浮世離れというか思想的というかそいういうイメージも世間一般にはありそうだけど、哲学がいかにガチ論理であるかをわかりやすく伝えていると思う。最高。特に西洋哲学は勉強不足で知らないことも多かったのでまた読み返すと思う。